“ニャンまげに飛びつこう!ドン!ドン!”のテレビCMを見たのは何年前になるだろう。覚えているのはボクがもう世間的にはすっかり中年と呼ばれる年代に入っていたことだ。それでも飛びつきたくて飛びつきたくて、もう辛抱が堪らなくなって、気が付けば浅草から電車に乗っていた。

そもそも“飛びつこう!”と、言ったのは誰なのか?ニャンまげ本人(いや本ニャン)なら「飛びついていいよ」とか、「飛びついてみて」と、言うのが本当だろう。誰が言ったにせよ、“飛びつこう!”と、いう発想は有りそうで無かったし、ニャンまげ以降も“ヨン様に飛びつこう!”なんてのも聞いたことがない。

ドキドキしながら江戸村の門に近づく。ボクはすぐにニャンまげを発見した。人と並んで記念写真を撮っているようだ。ボクは列に混じって、今か今か!と順番を待った。そして、自分の番になった時、軽く助走をつけ飛びつこう!と、思った途端、忍者のカッコをした人から「ちょっと待って!このニャンまげは飛びつけないよ」と、制止された。

“飛びつけるニャンまげ”と、“飛びつけないニャンまげ”がこの世に存在するらしい。ボクは何だか分けが分からなくなった――(つづく)


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