江戸時代に全国に普及した『寺子屋』は、身分や男女を問わず学ぶことができた教育の場でした。
その内容は『読み、書き、算盤』と言われるように基本的な素養と、生活手段として欠かせない初歩的な知識や技術を身につけることを主眼に置いて、6歳から14歳ぐらいの子弟を対象にしていました。

これを奨励したのが徳川幕府264年の治世の礎をつくった徳川家康公で、歴代の将軍や諸候たちもこれに倣い、世界に類をみない識字率を誇る国となりましたが、その手本とされたのが『儒教』の教えです。
 
孔子とその弟子たちの言行録『論語』を始めとする『四書』『五経』の中国の古典は、人の道を説き、人の上に立つ者の聖典として重んじられ、日本に入ってきたのは聖徳太子以前の五世紀の頃といわれています。
その後、儒教は日本古来の国学や仏教、武士道と複合的に混じり合い発展しましたが、徳川家康公が万民治世の大本として導入してから定着しました。

単なる学問としてでなく、人が社会で生きていく規範となった儒教は、その後ひろく人々に浸透し、『日本人の心』として善悪の分別、親や目上を尊敬する『長幼の序』や、隣人への『思いやり』、不正をなさない、不正を許さないという共通の社会規範になりました。
ところが、いつしかこの日本人の美徳の教えが失われ、様々な不正や犯罪がはびこるにまかせる時代を招来してしまいました。
それは、日本人が、経済成長を遂げるあいだに、物や金を重視するあまり、もう一方の美徳『心』の豊かさを失ったからです。
物心両面の豊かさあってこその真の富であり、真の幸せであることを儒教は教えています。
寺小屋にはじまる、江戸時代の人々が理想とした社会規範を、いま学ぶことが、日本人が再び誇りをもって秩序ある社会の再構築を目指す原点になりうるのではないでしょうか。

こうした理念に立って、『社会学学問所』では小・中学生を対象とした寺子屋体験を用意しております。

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